今回の
【 ごんちゃんの歴史探訪日記Part3 】は
~ 北近江の雄 ~
『 浅井 長政 』公
(あざい ながまさ)
を訪ねて、湖北の滋賀県浅井郡
小谷(おだに)城に行ってまいりました!
浅井氏は、嘉吉2年(1442年)
時の大納言・公綱(きんつな)が勅命により近江国:浅井郡に下り
この公家と侍女の間に男子が誕生し、後に郡命から
浅井氏を名乗るようになるのが
≪ 戦国大名・浅井氏 ≫
の出自と伝えられております。
浅井氏は
北近江守護:京極氏の内紛に乗じて台頭し
実権を掌握するに至り
大永4年(1524年)、小谷山山頂に
『 小谷城 』
(おだにじょう)
を築城します。
小谷城は山城の典型であり
琵琶湖の北西部、湖北町と浅井町にまたがる
標高395メートルの小谷山の要害(山頂)に築かれた山全体が城郭の堅城で
麓には
越前(福井県)
美濃(岐阜県)
をつなぐ、街道が通っている交通の要であり
浅井氏の先見性には驚くばかりです…
浅井氏は、
亮政(すけまさ)
久政(ひさまさ)
を経て、家督は永禄3年(1560年)に
長政公の手に渡り、父・久政公の代から敵対していた
南近江の六角氏の重臣の娘と祝言(結婚式)をあげるも
まるで支配下に入るようなこの婚礼は
長政公にとって耐えられない屈辱で、婚礼直後に新婦と電撃的に離婚をすると
そのまま六角氏に合戦を挑み、初陣にして大勝利を得る…という離れ技をやってのけ
名実ともに戦国大名としての地位を確立していきます。
永録11年(1568年)
織田信長は妹で
【 三国一の美女 】
(三国にも匹敵する美女)
と、うたわれた
『 お市の方 』
を、浅井長政公に嫁がせます。
これは、信長が京の都に
上洛(首都:京都に行く事)する為の安全確保を図る為
長政公は、宿敵・六角氏を織田の勢力を背景に掃討する為
織田・浅井両家の思惑・結び付きを強固にする
≪ 政略結婚 ≫
でしたが意外にもこの夫婦は、仲睦まじく
一男三女をもうけます。
しかし、元亀元年(1570年)
室町幕府15代将軍:足利義昭が越前の朝倉氏を頼り
その処遇を巡り、朝倉氏と信長が対立します…
浅井家は、朝倉家と古くから盟約関係にあり、迷った末に長政公は
朝倉氏に合力(味方)・信長裏切りを決断!!
朝倉攻めの為に進軍中の信長軍を、背後から急襲します!
しかし、素早く撤退した信長は美濃に帰り態勢を整え反撃に出ます!
元亀元年(1570年)6月28日
織田・徳川連合軍 25000人
対
浅井・朝倉連合軍 14000人
による、戦国史上最大の野戦として名高い
【 姉川の合戦 】
に奮戦!!!!
長政公は、その手腕を発揮、織田軍をおおいに苦しめるも
朝倉軍が徳川軍に大敗し総崩れ…
結局、それに上じて織田勢が盛返し
この決戦に敗れ
天正3年(1573年)8月に朝倉氏が滅亡すると
孤立無縁の状態に陥り
浅井氏三代に渡り修築を加え堅城を誇った “小谷城” も
翔ぶ鳥を落とす勢いの織田軍の攻撃に
周囲の「砦」が次々に陥落…
3年間攻撃をしのいだ小谷城も
天正3年(1573年)8月27日
ついに落城し、翌28日に長政公も自害…
お市の方、三人の娘は助命されたものの
嫡男の万福丸は関ヶ原にて
羽柴秀吉により磔けにされ処刑されます…
北近江の覇者・長政公の身は滅びましたが
長政公の遺した血筋は後の日本の歴史に大きく関わってくることになります…
長女:茶々は
豊臣秀吉の側室として、嫡男・秀頼を産み…
次女:お初は
京極高次の正室となり…
三女:お江は
徳川秀忠の正室となり、三代将軍・家光を産む事になります…
また、彼の家臣も
・藤堂高虎
・脇坂安治
・片桐且元
など、豊臣・徳川の世の大名・名門となる人物を輩出します。
『 プチ信長 』
ともいうべき先見性と軍事的才能を併せもっていた
浅井長政公…
かつて、佐和山城で信長と会見した際
重臣の 「遠藤直経」 は、信長の野望を見抜き暗殺を主張するも
『 自分を信用する義兄を討つ訳にはいかぬ!! 』
とし、断じて許さなかった、信義を重んじる武将で
古くからの同盟関係であった朝倉氏に義理立てし
信長に背き、その義理堅さが災いした長政公はまだ、29歳の若さでした…
寛永9年(1632年)に長政公から見れば ≪孫≫ にあたる
“三代将軍:徳川家光”
の時代に
『 従二位中納言 』
(じゅにい・ちゅうなごん)
を、追贈され、長政公は再び歴史の舞台に登場。
彼の行動は以後、武士の心として語り継がれていく事になります。
小谷城本丸跡から望む景色は未だにのどかで
当時と殆ど変わらぬようで
僕の目から見た風景は、当時の御大将の目にはどのように写り
また、お市の方もこの景色を見たんだと思うと
哀愁漂う小谷城を後にして帰る道中は複雑な気持ちになってしまうのでした…
小谷城の最寄り駅である
『 JR河毛駅 』
駅前には長政公と、お市の方の銅像が
現在も寄り添うように座り、その目線の先は
かつて過ごした、小谷の城を見つめているような
そんな気がしてなりませんでした…
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